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翌日、クロノスは扉が叩かれる音で目を覚ました。
「………ふぁあぁ……だれ?」
眠い目を擦りながら、クロノスは外れていた眼帯をつけ、適当に髪を梳いてから扉を開ける。
「遅い!朝一番って言ったのクロノスじゃん!」
朝からリサの渇が飛ぶ。
「………りさ……?………ああ!テストかぁ」
寝起きだった為、頭が働かないがなんとかリサのいる理由を思い出した。
もちろん、リサの後ろにはコウヤとラン、それに眠そうなミリアがいた。
「……リアンは?」
クロノスは手招きして、4人を部屋に入れながら最後の1人の行方を尋ねる。
「ここ~」
呑気な声が中から聞こえる。
「魔法使ったな。大した距離じゃないだろうに」
クロノスは着々と身支度を整える。
その間、みんなはソファに座りリアンがお茶を振る舞っている。
「どこでテストってやるの?」
ランは着替え中のクロノスに話し掛ける。
「んあ?ああ、俺ん家」
「クロノスの家?」
少々くぐもった返事が返ってくる。
「ご両親に迷惑じゃありませんか?」
家と聞いて心配したミリアが話に入ってくる。
「大丈夫、いないから」
鏡の前で髪を結いながら、クロノスは何でもないようにいう。しかし、ミリアは複雑な顔をした。
「………ごめんなさい。嫌な事、聞いちゃいました」
しゅんとするミリア。そこに準備を終えたクロノスが驚きながらくる。
「何謝ってんだ?うちの親は、何年か前に旅に出ていないだけ。死んでないぜ」
てっきり、死んだとばかり思っていたのでこの返事にはリアン以外が驚く。
リアンはと言うと、険しい中に悲しさが織り交ぜられたような表情をしていた。
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