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「さて、行くぜ」
クロノスの合図に皆が立ち上がる。
パンッ
クロノスが昨日と同じように、手を合わせる。しかし、今回は全員を一つの魔法陣で囲む。
「【瞬転】発動!」
魔法陣の光で皆が包まれ、光がなくなるとそこには皆の姿はなくなっていた。
シュンッ!
「到着!」
光のせいでつぶった目を恐る恐る開けると、そこには普通よりは大きい家が目の前にそびえていた。
「こっち」
家を見上げたまま固まった4人に、クロノスが声をかけ現実に引き戻す。
慌てて、クロノスの後を歩いていく。
「ここでやる」
家に入り、地下へ下り開けた扉の向こうには広いスペースがあった。
「うっわ~……広い……」
「こっちだぞ~」
入り口に佇む5人を中央に誘う。
クロノスの前に皆が集まるとクロノスはルールを説明した。
「まず、ここは俺の魔法で空間をねじ曲げてるからいくら魔法を使っても壊れない。もちろん、物理的攻撃でもだ。
ここで俺と戦ってもらう」
「5対1でか?いくらクロノスでもそれは……」
コウヤがここまで言いかけて、口をつぐむ。クロノスが殺気を放ち、威嚇したからだ。
「ハンデをやる。俺はこの円の中から外へは動かない。反撃も基本しない」
クロノスは自分の回り半径1メートルくらいの円を描く。
「俺を円から出したら、魔法を教える。傷を少しでもつけたら、使い魔の人型方法を教える。
両方出来たら両方やる。
ただし、時間は5時間。それまでに、何も出来なければ俺は何も教えない。
どうだ?」
クロノスは真剣だ。目を見ればわかる。
リアンが頷き、それに習って4人も同意する。
「よし、開始は5分後。その間に作戦なりなんなりどうぞ」
クロノスは皆が頷くのを確認してからその場を離れた。
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