テスト

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「どうした?もう終わりか?」 相変わらずコウヤが槍を突き出すが、クロノスは軽くいなし、相手にされていない。 「まだまだよ!やぁ!」 リサは弓を引く。矢がないが、魔力が弓に集まるのを感じる。 シュンッ 弓を引く手を離した。すると、矢が出現しクロノス目掛けて飛んでいく。 矢が飛ぶと同時にランは鞘から刀を抜き、クロノスへと走り出す。 「魔力で矢を造るのか。ランは刀ねぇ……」 矢とランが向かって来るにもかかわらず、クロノスはのんびり構えている。 タンッ 矢がクロノスの顔すれすれを過ぎていく。 「やああぁぁ!」 ランが刀を振りかざす。 「覚悟ぉ!」 ザンッ! 刀を振り下ろした。が、そこにクロノスの姿はない。 「どこへ」 「ここだ」 振り下ろしたままで、辺りを探ったランだが、上から衝撃が走る。 クロノスが頭を殴り、再び襲ってきた矢を素手で掴む。 「甘い」 掴んだ矢をリサ目掛けて投げ返す。その速さは、弓を使うより速い。 「は、速い!」 リサはその場から動けず、固まってしまう。 矢が目前に迫り、思わず目をつぶるリサ。 「【氷壁】!」 ガッ! 矢が刺さる音がしたが、痛みはない。 恐る恐る目を開けると、氷の壁がリサと矢の間に立ちはだかっていた。 「大丈夫だよ」 「リアン……?助かった。ありがとう」 リサを守ったのはリアンの魔法だった。 リサがお礼を言う。 「大丈夫なら手伝って下さい!」 怒号はミリアの物だ。 ミリアはクロノスが矢を返した後、背後から隙をついて銃で撃っている。 弾は、魔力で出来ているので弾切れはないが、クロノス相手にミリア1人では手が余る。 「僕もやるかな」 ミリアが一瞬クロノスから距離を取った。それを見計らい、リアンは魔法を放つ。 「【氷雨弾】!」 クロノスの頭上から氷のつぶてが、雨のごとく降り注ぐ。スピードもかなり速い。 「嘘ぉ?!リアンずる!【炎雨弾】!」 クロノスは火の弾を氷のつぶてと同数出し、炎で溶かす。
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