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リサとミリアはコウヤを下ろし、ランと共に寝かせる。
「だらしないわね!あんたたちが先に気絶しちゃうなんて」
気絶している2人を仁王立ちして睨みつけるリサ。
「仕方ないです。私達は遠距離攻撃が主ですから」
怒るリサをミリアがなだめる。
それに、と部屋の中央付近にいるクロノスを睨みながら言う。
「相手はクロノスです。立っているだけであの威圧感……それに向かって行っただけでも行幸ですよ」
リサも感じるクロノスから発する威圧感……
もはや、殺気に近い。触れるだけで切れそうな抜き身の刃のような殺気は、リサ、ミリア、そしてリアンに向けられる。
「リサ、矢を大量に打ち込んで!ミリア、君は武器より魔法を使うんだ!」
リアンのアドバイスを素直に受け入れ、直ぐに実行する2人。
「はあ!【進水分離】!」
リサの放った矢は、1本だが魔法を組み合わせて、飛んでいく間にどんどん増える。クロノスに当たる頃には数百はあった。
クロノスのいた円の中は矢が無数に刺さる。
「まさか、やった?」
誰もいないので、リサはそっと希望を口にした。次の瞬間、真ん中には矢が無いことに気づく。
「ちっ!【濁流】!」
もちろん、真ん中にいたのはクロノス。
リサは舌打ちし、水の中級魔法を放つ。
茶色の濁流はクロノスを飲み込もうと、周りにあるものを全てに猛威をふるった。
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