テスト

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「加勢するよ!【月下氷人】!」 リアンの上級魔法により、氷の騎士が濁流の一部を凍らせ、その上に騎士が乗る。サーフィンのようだ。 騎士は濁流から槍を作り出し、クロノスに突撃する。 バシャアアア! 騎士が横を通り過ぎ、濁流が襲う。 「うわぁ!」 わずかに濁流に流されるも、魔法で持ちこたえリサの魔力が尽きる。 同時に、濁流も消え騎士もいなくなる。 「残念だな。もう少し、流れが強ければ危なかったけど」 濁流のせいで、ずぶ濡れになりながらもクロノスは不敵に笑う。 「今度はこちらから行くぞ。 地獄の業火よ……」 クロノスが詠唱を始める。それをきいたリアンは慌てて2人に指示を出す。 「まずい!2人とも、自分の最強の防御魔法を!」 リアンの真剣な面差しに、2人は反論せずに防御魔法をはる。 「紫雷の盾で我を守れ!【紫雷盾壁】!」 「軟水の守り!全てを受け流せ!【流水の砦】!」 紫雷の盾がミリアを覆い、水の砦がリサを囲む。 リアンは気絶している2人を守るべく、そちらに向かう。 「【氷壁】!」 リサを守った氷の壁が再び現れ、3人を包む。厚さは先ほどの倍はある。 「……全てを呑み込む炎の渦よ!地獄の炎を呼び起こし、彼の者等をなぎ払え!【轟炎渦獄】!」 クロノスの詠唱が終わり、魔法が完成する。 肌を焼くような熱風と黒い炎の渦が、陽炎を伴い5人に向かっていく。 ゴゴゴゴゴ!! 炎が直撃する。 黒い炎はミリアの盾を壊し、リサの砦を蒸発させ、リアンの壁を溶かした。 やがて、渦が消え5人の様子がはっきりする。 「……やりすぎた」 クロノスが見たもの、それは地に伏せた5人だった。 その中で唯一、リアンが身を起こす。
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