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事故によってアークレイ施設内に流れ出したクレイウィルスε型の変種体は、残念なことに職員にも感染してしまった。
その結果、生まれたのがゾンビである。
彼らは正確には死んではいない。
クレイウィルスε変種体に侵された人間は、大脳新皮質が壊死して一種の脳死状態になり、本能に沿った単純な生存活動のみに行動が限定される。
結果、飢餓感につき動かされて食物を求めて歩き回るだけの哀れな存在になる。
また、成長ホルモンの異常分泌により体が大型化するが、代謝機能の著しい低下のために外見上は腐乱死体そのものである。
変異前の習慣はわずかに残るらしく、自分に関係のあった場所を中心にうろつき、ドアの開閉ぐらいの簡単な行動ならこなせるようだ。
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