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「うわぁお!ここが鈴山学園!でっかーい!金の無駄遣いじゃないの?」
鈴山学園の門の前に立っているのは一人の少女。
「さーてと。とりあえずどうやって入りましょーかねー。」
閉まった門を見ながらしばらくうーんと唸っていたが…
「よし!よじ登ろう☆」
げしっと門に足をかけ登ろうとしたその時…。
「…不法侵入になるぞ」
「んぁ?」
声のした方を見ると一人の男が少女を呆れながら見ていた。
「あらまぁ。そりゃ大変だ。」
すとんっと地面に着地する少女。
「…お前、何者だ?」
「名乗るほどのモノじゃございませーん!あ、んでも怪しい者じゃないからね!ほら、生徒手帳もあるよ!」
ポケットから出したのは確かに鈴山学園の生徒手帳。
「ふーん?日下部杏奈か。」
「ハッ!?何故名前を!」
「生徒手帳に書いてあるだろうが。」
「おやまぁ。ま、イイや。それよりイッちゃん。学園内に入るにはどうしたらいーい?」
「…………イッちゃん?」
変な呼び名に渋い顔をすればニッと杏奈は笑った。
「君、イケメンだから!イケメンのイを取ってイッちゃん!
あ、色男のイでも良いよっ♪
いやぁ世紀の美男子だね、君。
まぁとりあえずどうやって入ったら良いの?」
ぺらぺらと喋る杏奈に開いた口が塞がらない男。
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