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よし!とりあえず無視しよう!
そろーっと横を通り抜けた杏奈はちらっと横目でその塊の中心を見た。
「わお。美男子~。」
中心には三人の美男子。
「ふむふむ、ありゃ群がるな。鈴山学園には世紀の美男子が多いんだ。世の中の平凡が可哀相になってくるね!」
そんな事を言いながら素通りした杏奈。
「とりあえず目指すは校長室なんでね!待ってろ!校長!」
30分後
「やっと着いた!」
息切れした杏奈の目の前にあるのは大きな扉。
『校長室』とプレートに書いてある。
「ふっ…道程は長かった…」
バンッ
「失礼しまっす!転校生の日下部杏奈で~す!」
ノック無しに思い切りドアを開いた杏奈。
そんな杏奈の視界に飛び込んで来たのはピクピクと痙攣しながら倒れているおじさんだった。
「…アーメン。」
「生きてるわ!どアホっ!ノックしないでいきなりドアを開ける奴があるか!!」
ガバッと起きあがったおじさん。
「わたしは心臓が悪いからあまり驚かさないでくれ!…ってあれ?」
「わっ!」
「うぎゃあぁぁ!!?」
ぱたり
「おもしろーい!今度から校長で遊ぼっかな!」
「そっちがおもしろくてもこっちは命の灯が消えてしまうわ!!」
「あ、おはよ。」
「………こんな奴学園に入れるんじゃなかった。」
「まぁ、こちらとて色々事情があるんでね!それとも年サバのキャバ嬢か全国制覇中のヤンキーが良かった?」
「もうやだ。何この家族。いれてしまったものはしょうがないだろう。お願いだから面倒事だけは起こさないでくれ。」
「え、やだ。」
「…ふ、ふふふふふ。先が思いやられる…。ふふ…ふ…」
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