はじまりの歌

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人間が決して立ち入ることのできない深い森ー そこに彼女は住んでいました      ・・ いえ、彼女たちは住んでいました 透き通るような白い肌に、 白銀の髪、 翡翠色の瞳はキラキラと光が踊っています 幼さが残るその顔には、 それに似合う笑顔が輝いています その声はー 「クロラ!もっとはやく早く!!」 はつらつとして、 自身がまたがる大きな白地で黒い縞模様の虎を急かしていました わかっていますよ、 と低いよく通る声でクロラと呼ばれた虎は返事をしました 木々の間を駆けていく大きな白地の虎は、あまりにも目立ち過ぎて不思議な感じがします 濃い緑の木々達は、花を年中咲かせています そして、歌うような声で少女とクロラに挨拶をしました "ごきげんよう、エアロガ" "ごきげんよう、クロラ" エアロガと呼ばれた少女は はにかみ笑顔で挨拶を返しました
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