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さて、何故こんなに彼女たちが急いでいるのかというと…
それは今朝のことでした
ーいつものようにエアロガが朝日が差し込む洞窟の、
祈りの祭壇からあくびと共に起きた直後でした
彼女の後ろには、クッション代わりになっていた
守護神ヴァイオがまだ寝ています
ー守護神ヴァイオは、大きな白い、頬に赤い三本の線が入った二本の尾をもつ狼です
ちなみに"邪烙"という一族の長を務めていましたー
一羽の色鮮やかなオウムがけたたましい声で鳴きながら
祭壇の横にある止まり木に留まりました
そして、一声。
「お・き・ろーーーー!!!!!」
一気に目が覚めました
てか声が大きすぎて鼓膜破れそう
長いことこの声を聞いているエアロガも、毎朝びっくりです
というか今朝は、いつもより二割り増しな気がします
「おはようエアロガ!!
今日はびっくにゅーすがあるぜ!!!」
いきなり起こされたヴァイオは
ぐるるるーと牙をむき出しにして唸っています
そしてあまりのけたたましさに、オウムを
ぱくっ
と食べました
目にも止まらぬ速さで
「黙れ」
口をしっかりと閉じたまま叱ります
その声には威厳があり、聞く者を怯ませるような響きがあります
「わっヴァイオ!
ぺっしなさい!!ぺっ!!
アロー、生きてる?!」
まだがっちりと口を閉じているヴァイオ
その口の隙間を、無理矢理にこじ開けて
アローと呼ばれたオウムが顔を出しました
「だいじょばない…
見てよこの羽!!よだれでぐっしょり…」
今にも泣き出しそうです
「うわっ…きたな…
ヴァイオ、出してあげなさい」
エアロガがそう言うと
ちっ、と舌打ちして
ぺっ
とはきだしました
※お食事中の方、申し訳ございません
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