名前と記憶

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目の前には湖の主、白竜 かなり怒っています その巨体を湖から乗り出して、大きな口を開けて威嚇しています その、威嚇の対象はエアロガではなく… 全身血まみれで、二本の長い刀を構えながら立っている青年に向けられていました 青年の息は上がり、今にもぱったりと倒れてしまいそうです ですが、自らの命を守るために、倒れる訳にはいきません その気迫は白竜と互角かもしれません そんなあたりに立ちこめる空気を目の前にして、エアロガとクロラは動くことが出来ません でも、この対決を止めなければなりません だって、エアロガはそこに立っている青年を助けに来たのですから 「ユキヤーーーー!!」 エアロガは叫びました ユキヤ、とは白竜の名前です エアロガのみ呼ぶことが出来ます 「ユキヤ!この前喧嘩はだめって言ったでしょー!!」 ー喧嘩じゃないって この目の前に繰り広げられているのは、まさしくサバイバルー 彼女の声に気付いて、はっと青年が先に振り返ります その大きく見開かれた瞳は空色、長く伸びた黒髪は艶々としていました ここまで見れば青年というより少女っぽいのですが、 上半身裸だったので青年と断定できます と、青年は何を思ったのかエアロガ向かって走り出しました 一気に間合いが詰まっていき、唖然とするエアロガ 青年は刀を構えています よもや青年は彼女を切ってしまうだろう と、その時 がっ クロラがエアロガの前に立ち、青年を一掃しました ねこパンチで
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