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「お正月とは、暦の始まり、1月1日……。つまり今日、この日を指すです。
旧年の終了と新年の始まりを祝って門松やら鏡餅やらをかざりつけ、お正月料理を食べてわいわい過ごす、そんな日です」
「難しい口上は必要ないわ。今必要なのは騒ぐ心よ!
全身全霊で騒いで騒いで騒ぎ倒して、最終的にぶったれちゃいなさい!」
「倒れちゃダメだよー……」
テンション高く宣言する夏姫に白姫が小さくつっこみをいれる。
しかし当然夏姫は止まらない。
「お正月って言ったら隠し芸見て独楽回して羽根突いて歌留多をとるって決まってるの!
さあ、独楽と羽根と歌留多を用意して!」
たからかに指示を出すと、またもベランダからガラッと月姫が入ってくる。
いつのまに外に潜みなおしたのだろうか。
「ごめんなっちゃん……。独楽も羽根も歌留多も無かったんだ」
「この役たたずっ!」
1日中走り回ったあげく苦労が報われなかった月姫はめそめそとまた外に潜みなおした。
「歌留多はいいとして、羽根つきと独楽がないのはお正月としてつらいですね……」
お正月と言えばやはり羽根つきに独楽回し。
これが無ければお正月とは言えないだろう。
今回はここまでか。
そう思った時。
「……独楽ならここにあるわっ!」
突然そういうと、夏姫はどこからともなく3つの独楽を取り出す。
プラスチックで出来た青、赤、白の3つの独楽。
諸事情で形状は書けないが、確かに独楽である。
「ドラグーン、ドランザー、ドライガーよ!」
「ベイブレードじゃないですか!?
しかも古いし、名前言ったから形状隠した意味がないです!」
「しかも緑のだけない……」
夏姫の取り出した独楽にそれぞれつっこみをいれ、そのまま黙って手に取った。
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