呪いの呪文

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「お前の名前はできすぎてる。偽名だろう?」 「嫌だなぁ、先生。偽名で魔術師登録ができるわけないでしょう!!」  アハハハッと笑うショコラ。  空色の瞳が在らぬ方向を向いている。 「まさか、本当に偽名なのか?」 「ま、まさかぁ」 「おいっ!?」  ハンセがショコラに詰め寄ろうとしたその時、 「お待たせしました」  声と同時にパフェがハンセの目の前に現れた。  チョコレートパフェらしい。甘いチョコレートの匂いと、アイスに生クリームの甘い匂い。  甘い甘い。ひたすら甘い。 「うっ―」  低く、短く呻いてハンセは口を押さえる。  顔が真っ青だ。  それを見て、ショコラも青くなった。 「先生!?私のパフェに何する気ですか!!止めてください~~~!!」  慌ててパフェを遠ざける。 「う――…」
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