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 夜中、22時22分20秒。  あと2秒でゾロ目がそろう瞬間、偶然にも俺はデシタル時計に見入っていた。  ……2……1。 「おっしゃ、そろったっ!」  と言ってみるも、予想よりも達成感はビミョーである。  まぁこの欲求不満な感覚も、問題はこの現状であると俺はふんでいるが。  ――さてそれはどのような状況か。皆さん、気になりませんか?  いや、ならないと言っても話しは勝手に進みますけど。  そうそう、出来たら優しいお方には至急俺に毛布を送ってもらうよう頼みたい。  なんたっていま、この12月の寒空のなか俺は、1人公園のベンチに座っているのだから。  パンパンになったベージュのリュックサックを持って、紺色のウインドブレーカーを着て、少女の体で。
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