アリガトウ。

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アリガトウ。

“サヨナラ” 唇動かして 震えた声 君の背中が小さく見えた 始まりの朝 世界が輝いて 未来をただ みていた 君さえいれば怖くない ただ そう思って 君の瞳が優しくて 日々 吸い込まれていった “アリガトウ” 君に伝えられない言葉 いつもいつも 言いたいのに 出てくる言葉は “ゴメンネ” 終わりの朝 空っぽな気持ちは 埋めきれない穴を ただ埋めようと 周りを見ずに 必死に埋めていた 君の最後の瞳が どこか淋しさを帯びていたから 事実を認めたくなくて 僕はふさぎこんでいた “サヨナラ” 唇動かして 震えた声 こんなにも愛しいのに 届かない もう届かない 死ぬほど愛していました 想像した輝く未来など 今では朽ち果てている 再び などという願いは 神になど 届きやしないと わかっています だから告げるの “サヨナラ” 僕の唇動かして 震えた声で 君に告げた 君の潤んだ瞳を 僕は見れずに 言うの サヨナラ、“アリガトウ”
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