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「起立ー、礼ー。」
けだるい号令にダラダラと礼をする生徒たち。
心底嫌そうに授業を受けようとしている。
俺だって嫌だよ、バカどもが。
そう思うけど顔にも態度にも一切出さない。
俺は教師だから。
教科書を開かせ、喋り始める。大抵の生徒が私語をしているか、寝てるか、内職している。
だりィなぁ…。
そう思いながら教室を見渡すと、一番後ろの席で必死に俺の話を聞いている生徒がいた。
短髪で、精悍な顔をしている。その上、とても姿勢がいい。武道でもやっているのか。
やべェと思ったが止められなかった。
もろタイプだ…。
そのまま夢心地で授業が終わった。
「先生、分からないところがあったので放課後聞きに行ってもいいですか?」
そう言ったのは、あの少年。
「…ああ、もちろん。」
これは偶然か、それとも――。
END
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