彼女の愛読書

2/8
前へ
/92ページ
次へ
「……愛してる。君だけを、ずっと。……これからも」 「だったら、何で……」 「仕方がないんだ。……君の、幸せの為には」 「……そんなの……そんなの、優しさなんかじゃないっ!……本当は、私のこと好きじゃないんでしょう……?」  子供のように泣きじゃくる少女の頭を、慰めるようにそっと撫でて男は言う。 「……誰よりも、君のことを想っているから。……だからこそ、君とはいられない」 「…………酷いよ……先生……」 .
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加