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机の上には、くしゃくしゃに丸められた紙の入ったシャーレが置かれている。
慣れた手つきでマッチを擦って火を点けると、それを紙に近付けた。次の瞬間、紙は、ぼんっ、と音をたてて、一瞬火が付いたかと思うとたちまち消えてなくなってしまう。
「あ、すごい!なくなっちゃった。さっきのって、紙が爆発しましたよね!?」
「これはニトロセルロース。純度がそんなに高くないからこの程度だけど」
そう言うと、佐伯先生はマッチを水の入った瓶の中に捨てる。
「化学の実験って爆発のイメージがありますけど」
「……ああ、そういえば大学の同期にやらかした奴がいたかな。幸い軽い怪我で済んだけど。……ただ、僕としては、君のいる所で危険な薬品は扱いたくないね。君に実験をやらせるなんて以っての外だ」
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