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正直過ぎる詩織の回答に佐伯先生は肩を竦めると、皿の上に載った白く柔らかそうな物体に用意してあった醤油を少しかけ、スプーンでひとさじ掬う。
「……懇切丁寧に一日かけて説明した方が良い?理解出来るまで僕がしっかり叩き込んであげるけど」
「結構です」
詩織が即答すると、それは残念だね、と佐伯先生がちっとも残念そうでない顔で返す。
「……で、先生。それ食べられるんですか?」
「当たり前じゃないか。ビーカーも殺菌消毒してるし、衛生上は全く問題ない」
あまりに淡々とした言葉に、殺菌消毒をしなければいけないような何かをしたのか、という疑問が詩織の頭に浮かんだが、次の佐伯先生の行動にそんなものは吹っ飛んだ。
「……はい、口開けて」
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