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口の前へ差し出されたスプーンに、詩織は完全に固まる。
「…………えーっと……先生、熱でもあるんですか?」
「ないよ。いたって健康」
「……じゃあ、どこかに頭ぶつけたり……」
「……君は、こういうのが良かったんじゃないの?」
不思議そうな顔で逆に聞き返されて、詩織は言い淀む。
「……それは……漫画とか小説とか読んでたらいいなーとか思いますけど……先生の場合普段が普段なんで……こっちが照れるというか恥ずかしいというか……」
「長い。もっと簡潔に要点をまとめて言ってくれる?」
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