実験レポート1

7/13
前へ
/92ページ
次へ
 口の前へ差し出されたスプーンに、詩織は完全に固まる。 「…………えーっと……先生、熱でもあるんですか?」 「ないよ。いたって健康」 「……じゃあ、どこかに頭ぶつけたり……」 「……君は、こういうのが良かったんじゃないの?」  不思議そうな顔で逆に聞き返されて、詩織は言い淀む。 「……それは……漫画とか小説とか読んでたらいいなーとか思いますけど……先生の場合普段が普段なんで……こっちが照れるというか恥ずかしいというか……」 「長い。もっと簡潔に要点をまとめて言ってくれる?」 .
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加