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「……意地っ張りは、君の方じゃない?」
「私が?いやですねー、ちょっと先生に対して反抗してるだけで、ホントは素直ないい子じゃないですか。ね?」
ね?、と同意を求める詩織に、佐伯先生は頭が痛そうにこめかみに手を当てる。
「……君のどの辺が『素直』なのか30字以内で説明してくれる?」
「全部ですよ」
「0点。字数も全く足りない上に……内容に根本的な誤りがあるね。もう少し冷静に自己分析してみるべきだよ」
テストの答えの解説でもするような言い方と酷い点数に、詩織はむくれて抗議の声をあげた。
「こんなところで点数つけないで下さいよっ!私まだ0点だけは取ったこと無いのが自慢なんですから!」
「そんなのは何の自慢にもならない。……点数一桁のテストは山のように取ってるくせに」
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