実験レポート1

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 え、それって、と詩織がまじまじと佐伯先生を見遣ると、彼は素晴らしいほどの笑みで言った。……知らない人が見たら、ころっと騙されてしまいそうな、完璧な笑顔で。 「……君ほどからかい甲斐がある人は中々いないからね。僕の言うことに一々突っ掛かってくるのがまた面白くて……ついつい虐めたくなる」 「…………『虐めたくなる』って、先生の言って良い台詞じゃないでしょうっ!!このドS教師!先生の本性学園中にばらしてやるっ!」  びしっ、と人差し指を突き付けて詩織が宣言するも、佐伯先生は不敵に笑う。椅子をぎしりと軋ませて立ち上がると、赤く染まった詩織の耳に唇を寄せる。 「…………そう、そんなに僕に怒られたい?泣きたくなるぐらいの量の課題出そうか?」 .
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