62人が本棚に入れています
本棚に追加
マリア「………じゃあ、もう一つ質問していいかしら?」
テイルス「なんだい?アリス」
マリア「…………」
私が言ったことはまったく聞いていないかのように続けるテイルスに、私はすこしムッとしたが気にせず続けた。
マリア「さっき、この道を青い動物が……そうね、ちょうどあなたみたいな姿をした動物が走って行かなかった?」
テイルス「青い動物……?
…………ぁあ。音速針鼠のことか。うん。さっき、すれ違ったよ」
マリア「音速針鼠?」
テイルス「そうさ。名前は"ソニック"って言うんだけどね」
マリア「ソニック……」
やっぱりあれはハリネズミだったのね!!
私が少し喜んでいると、テイルスは真面目な顔で私の顔をじっと見上げて(テイルスは身長がとっても小さいから見上げることになる)言った。
テイルス「もしかしてアリスは、彼を追いかけているのかい?」
その怖いまで真面目な顔に私はたじろぎながらも答えた。
マリア「ぇえ。そうよ。あなた、ソニックさんがどこに行ったかわかる?」
テイルス「…そうか。アリスは彼を追いかけているのか…」
テイルスは私の顔から目を離し、少し下を向いた。
その顔はどこか悲しそうに見えた。
テイルスはまた顔を上げ、続ける。
テイルス「そうだね。彼をつかまえたいのなら、まずは猫を訪ねるといいよ」
マリア「猫?」
テイルス「そうさ。猫は君を導く者だからね」
マリア「導く者…」
私はいまいちピンと来なかった。
だって猫は言葉を話せないもの。
最初のコメントを投稿しよう!