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――ある日、マリアは木の下でうとうとと昼寝をしていました。
そしたら、ふと、ぼやけている視界にあるものが見えたの。
あるもの…。
言葉では言い表せないような不思議な………それは動物…?
私は、それがなんなのかを知るために眠気を払って見てみたわ。
そこにいたのは青い体をした何かの動物のようだった。
頭や背中は何かトゲトゲしたものがついていて、一見、ハリネズミのように見える。
だけど、その動物はハリネズミとは言えるものではなかったの。
だって二本足で立っていて、チョッキの着いた服を着ていて、おまけに靴まで履いているんですもの。
手には白い手袋をはめていて、手首のところには金色のリングがつけられていた。そして何かを持っている。
あれは………懐中時計…?
私がじっと見ていると、その動物はその懐中時計を見ながら呟いたの。
???「急がなければ…アリスの夢が始まってしまう…」
……アリス…?
一体誰のことなの…?
しかし、考える間もなく、その動物は向こうへと走り出してしまった。
!!! 追いかけなくっちゃ!!!
マリアは好奇心と本能の赴くままにその動物の後を追いかけ出した。
ブロンドの髪が軽く揺れる。
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