おかしなお茶会

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私はシルバーに言われたとおり、キノコの森を真っすぐに歩き続けた。 やがて、最初にきたような木々が生い茂る森が現れたが、さっきの森ほど薄暗くなく、随分と明るかった。 今度は怖くないわ!! 私は軽く鼻唄混じりに森へと入っていった。 森に入るとさっきの森と同じような風景が続いた。 けど、さっきとは違うものがあった。 あら…?なんだかいい香りがするわ? すごく柔らかくて、心が落ち着く。 まるで香りに抱きしめられているかのように優しい香り……。 これは…バラの香り……。 そう、バラの木だ。 この森にある木々はまるで一つ一つの枝が紅いコサージュをつけて、お洒落を楽しんでいるように見えた。 私は香りをゆっくりと吸い込みまぶたを閉じた。 まるでバラの香りに織り込まれたような感覚…… その幸せな空間にしばらく動けないでいた。
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