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マリア「あの~…ベクターさんは何をそんなに悩んでらっしゃるの?」
私が質問をすると、ベクターは頭をテーブルから離して言った。
ベクター「あ~~。話を聞いてくれるのか。優しいなぁ、お嬢ちゃんは。
それがなぁ……さっき言ったように俺"達"は帽子屋なんだが、最近潰れちまってよぉ……。俺ぁこれからどうしたらいいんだか…」
エスピオ「私の家を勝手に使っただけだろう。それに"達"では無い」
エスピオはリョクチャをすすりながら言った。
私は構わず続ける
マリア「あら…。それは大変なのね…。お客さんが来なかったの?」
ベクター「いいや、客はたくさん来てたんだよ」
マリア「じゃあ何故潰れてしまったの?」
ベクター「それがよぉ…毎日毎日ここでお茶会をしてたら、いつの間にか店が潰れちまっててよぉ………」
マリア「…………え?」
ベクター「ホント、何で潰れちまったんだか……」
それは………潰れてもおかしくない気がするわ…。
私はそう思ったのだけど、決して口には出さなかった。
だから出てくる言葉といえば…
マリア「そっ………それは残念ね…」
しかなかった。
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