アリス

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…………よし。決めたわ!! 私は散々迷ったあげく、この道を進むことにした。 このままここにいても何も変わらないもの!! 進んだ先に何かあるかもしれないし、誰かいるかもしれないし!! そして森の小道を、怖くないよう、楽しげに、軽快に歩き出した。 すると、道の向こうの方に何かがいるのが見えた。 人かしら!! 私は急いでその人物のところに駆け寄った。 しかし、その足はすぐに止まる。 人………じゃない…。あれは… そこにいたのは私がさっきまで追いかけていたチョッキを着たあの青い動物だった。 その動物は手の中の懐中時計を見て呟く。 ???「急がなければ…アリスの夢が始まってしまった……」 アリス……またアリス……。 私は呼びかける。 マリア「ねぇ!!あなたは一体誰なの!?そしてアリスって誰なの?!!」 ???「急がなければ…!!」 しかし、その動物は私の声が聞こえなかったのか、聞こえているのに何も言わないのか、ぼそぼそと呟いてまた走り出した。
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