出会い

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RiRiRiRiRiRiRiRiRi… 午前7時過ぎ。 いつもより少し早く鳴る 目覚まし時計 窓から差し込む 朝日 ベランダで春風にあたっている 白いTシャツ キッチンから漂う 食欲を誘う匂い リビングから聞こえる 明るい子供の声―――――――――― 「んっっほう!」 そんな平凡で穏やかな日常の雰囲気をアクロバティックにぶっ飛ばしたのは、 まぎれもない、この物語の主人公である私、 岩崎 愛芽(イワサキ アメ) は、今日から華の女子高生だが…………… 現実派、理屈人間と言われ続けて早16年 東に病気の子供あれば 行って、信用できる医者を紹介してやり 西に疲れた母あれば 知り合いのマッサージ師を勝手に送りつけ 南に死にそうな人あれば 迷わずお墓をプレゼントし 北に喧嘩や訴訟があれば つまらないから素通りする この通り、夢も希望もその欠片ですら持ち合わせていないような私は 華の女子高生などという言葉は地平線のかなたよりも遠いわけでありまして、 ましてや、電車で見かけた男の子に一目惚れだなんて ペンギンが空を飛ぶよりも期待できないもので、 入学先の高校の先生とのあんなことやこんなことなんて 消しゴムに足がはえるくらいにありえない。 うわっ、自分で言っててキモ… そして、 そんな私が出会ったのは、 私とは似ても似つかないような、
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