プロローグ

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「俺明日引っ越すんだ」 その中の一人の少年が不意に口を開く。 その内容が余りに急すぎたのでもう一人の少年は驚きで何も言えなくなってしまう。 「ちょっと前から決まってたんだけどさ、なかなか言い出せなくて・・・ごめん」 「ひっ引っ越す場所は?」 「ここからかなり遠い南の方の町だって。だから多分こうやって遊べなくなるかも」 「そんなっ!?」 その言葉に少年は泣きそうになってしまう。 この町の名士の家に生まれた少年にとって、この少年とここにはいない少女だけが心を許せる数少ない友人だった。 それがもう会えなくなるかもしれないということは少年にとって何より辛い事だった。
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