始まりはコンビニ

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それがその週の土曜の夜中に店長から電話あって、明日の朝出てくれとか言われてさ、よくあることだしあんま気にしないで出たんだよ。 職場についてから(そういやあの高校生に言われたっけ)って思いだすくらいで。 そしたらさ、来たんだよ高校生。しかも何か部活っぽい。 部活ったらあれだろ毎週来るだろ? じゃあ何でアイツ日曜まで早起きとか言ったんだ。 言い間違いか?休日と日曜を言い間違えたのか?とか思いながら、なんかの練習試合のせいで馬鹿混みになってるレジを神業的スピードでこなしてたら列の最後にあの高校生が並んでさ、笑いながら頭下げてくるもんだからこっちも頭下げてやったよ。忙しかったけど。 そんで最後尾だったこともあって、そいつのレジ打ちは普通の速さでやりながらやっぱり会話。けどこの日は俺からだった。 「なんかの試合でもあるんですか?」←あんま高校生で混んでると店長が聞けっていうから聞いた。 「あぁ、練習試合っす。バスケの」 って軽く返されて会話終了。 かと思いきやそいつお釣りを渡そうとしても手を出さないで立ってんの。 うわコイツ超邪魔なんて思っても当然口には出さない店員の鑑な俺。 「すみません」とかこの辺うろ覚えだけど言って差し出したら、そいつ真顔で「気をつけてください」っつーのよ。 電波!?ヤバイコイツ電波だった!?って焦って他に仕事あるしカウンターにお釣り置いて「ありがとうございましたー」って早口に言って一旦レジ離れた。
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