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「海斗君・・・
その姫っていう呼び方はやめてって言っているじゃない・・・」
『姫』と呼ばれて脱力感いっぱいで海斗に反論する侵入者は、誰が見ても心奪われるくらいの美少女で海斗と同い年に見えるが、実際は海斗よりも年が二つも下なのである。
「ですが『姫』は『姫』なので。」
ニッコリ笑いながらそう告げる海斗に、またもや脱力しながら「もういいわ…」とあきらめたように呟き、再び嵐のほうを向き
「もうっ!
嵐起きなさいよ!!!」
嵐をゆすりながらもう一度叫んだ。
しかし、嵐は起きる気配がしない。
それを見た海斗は思わず吹きだしそうになったが、それを堪えて再び『姫』と呼ばれる少女に話しかけた。
「姫、本当にどうしたのです?
姫が嵐を直々に起こしにくるなんて?」
もう!と呟きながら少女は海斗のほうをむき、ニッコリとそれは本当に誰をも魅了する微笑みで海斗に言ったが、不機嫌オーラ丸出しである。
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