プロローグ

3/7
前へ
/276ページ
次へ
今日は高校の入学式だ。 決められた位置に、カッチリと線のついた制服に腕を通す。 これから三年間この制服で高校へ通う。 三年間で、自分だけの制服の「シワ」が出来上がっていくのだ。 捨てずにクローゼットにしまわれた中学の制服を見つめる。 ほんの1ヶ月前まで、当たり前のように着ていた制服なのに、もう懐かしささえ感じてしまう。 一年生より二年生。 中学生より高校生。 一年一年が凄い違いに感じて、 一年でも早く大人になりたがっている。 過去を脱ぎ捨てて、軽やかに鮮やかに次のステップをなんなくこえて行く。
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加