プロローグ

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短いショートヘアを軽くクシでとかし、階段をおりる。 食卓には母親が作った朝食が並んでいる。 ユウキの好きなスクランブルエッグと、焼かずに温めたフランスパン。 先にテーブルについて食事をしていた兄がこちらに気付く。 「おはよ。 なんか、あれだな~。 お前が花高の制服着てるとか、すげぇ変な感じだな!」 「なにそれ?誉めてんの?けなしてんの? あ。おはよ」 間の抜けたタイミングで挨拶を返す。 「どっちでもないな。 ただの違和感しか感じない。」 初日くらい誉めろよ! 少しムッとして兄を見ると、兄はニヤリと笑っていた。 ユウキはそれに答えるように、ふっと鼻で軽く笑い、定位置に座った。
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