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暗闇…街灯はほとんどないスクランブル交差点。
その真ん中で、上原遥は1人立っていた。
目を閉じ、耳を澄ます。
目を閉じれば、静寂の闇が迫ってくる。
誰もいない昏睡の街。
そこに足音が響く。
(奴らだ…)
3日前から行われている殺戮…
人々は捕まった。
男はなぶり殺され、女は気の済むまで犯されて、最後はボロ雑巾のように殺されて、捨てられた。
遥は、そんな光景を嫌というほど見てきた。
3日前でにぎわっていた街も、今は死の街と化している。
3日…たった3日で島は変わってしまった。
こんなこと誰が予想できただろうか…
生存者の姿も昨日の夜からほとんど見ていない。
その時、若い男性らしき悲鳴がした。
どこかで抵抗しているのだ。
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