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ここは南乃宮市立南乃宮高校、その中のダーツ同好会の部室。
彼らはここの生徒で、ダーツ同好会の部員だ。
同好会の名が示す通り、ここの部員は彼ら3人のみ。また、彼らもそこまで積極的に活動しているわけではなく、放課後に2、30分、喋ったりマンガを読んだりダーツをしたり、とにかくまったりと遊ぶための場所だ。
「にしても、女日照り甚大だねぇ、ここ。青春しようよ、2人とも」
カバンを背負いながらそう言うのは、マンガを読んでいた少年、大野 アキラ。
ダーツ同好会で唯一の彼女持ちである。
「上から目線で言いやがってコノヤロウ。コンビニでなんかおごれ!」
言い返したのは中村 慶太。パイプ椅子に座っていた、一際ガタイの良い少年だ。
「残念。彼女とのデートに使っちゃったから、お金ありませーん」
アキラがそう言ってからかうと、慶太はコノヤロウとアキラの頭にヘッドロックを決めた。
「痛い痛い痛い、ギブギブ」
「まったく。彼女いるからって調子乗んなよ。別れたら盛大に祝ってやる。行くぞ、翼」
慶太はヘッドロックを解除すると、もう1人の少年に声をかける。
その少年はダーツの矢を箱にしまい、ソファーにほうっていた自分のカバンをひっつかんだ。
「うし、行くか」
彼の名前は神宮寺 翼。先ほど見事な投擲を見せた少年だ。
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