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「アキラくん、人間という生き物は、どうしても自分達中心でモノを考えてしまうものなのデスよ」
アキラの言葉に、翼は自分たちの化学教師のモノマネをしながら答える。
それを聞いた瞬間、アキラのニヤニヤは爆笑の破顔に変わった。
「アハハハっ、なにそれ、めっちゃ似てるじゃん!もっとやってもっとやって!」
「ばか、これはマル秘の奥義なんだ。連発なんて出来ねーよ」
翼はそう言うと、カフェオレのストローをくわえた。
「つーか、相変わらずバカやってるよな、お前らは」
そう言ったのは2人の後ろを歩く慶太だ。
「1番おバカなヤツに言われたくはないなぁ。ねぇ慶太。この前のテストいくつだったっけ?」
「うるせぇ、どうせ留年すれすれでしたよ!」
慶太はそう言いながら、からかったアキラの脳天にチョップを喰らわせる。
どうやら、慶太の学力はあまり芳しくないようだ。
「いてっ!誰のおかげで留年免れたと思ってるんだよ」
アキラはしばかれた頭を抑えながらも反論する。
「あいにくながら翼のおかげだ。お前の教え方は変わってて余計にわからん」
胸を張った慶太の言葉に、今度は翼が吹き出した。
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