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「彼女は、私のことも受け入れられる男神でなければ、合神はできないと思っている」
「つまり、お前も込みってことだな。まず馬頭は無理、」
阿修羅は間近でクスクスと笑う。笑うとその密着した体が……俺を微妙に刺激する。
「俺も無理だ。大体からどうやってお前まで」
強がっても額に汗が浮かんでくる。阿修羅は真顔に戻り、俺の目を覗き込んだ。
「愛染は……不動、お前に合神して欲しいと」
「言ってるんなら替われ」
「さっきも言ったが、彼女が完全に覚醒してしまうと、私はもうお前と話ができない」
「どうすりゃいいんだ」
焦りとは裏腹に、体が彼女を受け入れようとしていることに愕然とする。
「おい、あしゅ」
「彼女の願いは、もう一度だけ六臂の腕に抱かれたいというもの。叶えてやりたいとは思わないか」
「そりゃ、叶えられるなら叶えてやりた」
最後まで言う前に、俺は、阿修羅に、口を塞がれた……生涯の不覚……
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