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「あー、明日は来年だな。今年も速かったわ…」
こたつにて、やる気なさそうにテレビを見ながらそう呟く。
「ほんとだよ。…てか、寒い」
その向かいから返ってくる答え。
「えんとつずれてる。直しぇー」
「へいへい…」
えんとつ…ストーブの前に置いてその熱風をこたつに送り込む素晴らしき北国のアイテム。
同時に部屋も暖まって、とてーもエコ。
ただし足で蹴ってしまったりして、えんとつの先が温風出口からずれると、途端に熱が供給されないこたつの中は寒くなる…ここではそれが起きてしまった。
ストーブに近い方に座っている男子…名前を藤原千尋(ふじわらちひろ)…がえんとつを直して、再びこたつに温もりが戻る。
「あちゃっ!」
「ちょっと離しぇー」
そしてえんとつの先をストーブに近づけ過ぎると、こたつの中が熱くなり過ぎることもよくある。
千尋はめんどくさそうに調節した。
「…」
「…」
再びつまんなそうにテレビを見る2人。
こたつの中央に置いてあるかごの中のみかんを掴んで、スジを馬鹿みたいに丁寧に剥いて食べた。
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