世界を創る歌姫

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 少女は手を引かれ、花畑の真ん中、娘の傍に座った。  娘は手近な花を一輪摘んで、少女に差し出す。小さな白い花弁がの可愛らしい花だった。   「 ありがとう 」    受け取ってすぐ、花独特の甘い香りが少女の鼻孔を擽った。  少女の顔が綻ぶのを見て、娘もまた微笑んだ。  娘の歌が止んだことに気付いたのか、再び風が、ざわざわと木々を揺らしはじめた。   「 あの、 」    その風に急かされるように、少女は口を開いた。   「 此処は何処、って、尋ねたいのでしょう? 」    その通りだ。  先を越されてしまった。
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