神に愛された子

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「 どうしようかなぁ 」    芝生を踏み締めながら、少女は一人呟いた。  あれから宛てもなく歩いてきたが、見えるものといえば空に大地に地平線、風景はほんの少しの代わり映えさえしなかった。  真上の空に浮かぶ、大きさの異なるふたつの太陽を眩しそうに見て、少女は息を吐く。  どうしようもなにも、どうしようもなかった。    歩いても歩いても代わり映えのしない風景にうんざりし、疲労を自覚してきたそんな時、少女の耳は何かを捕らえた。  この場所で初めて耳にする、風と草の音以外の音。  それが、どこからか流れてきている。  耳を澄ませると、音は軽やかな旋律を綴っていることが分かった。  
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