7月 補習

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「清美、もう隆も凛音も帰ったけど…どうした?」 席に座ったままのあたしに問いかける川口。 「あ…いや…ちょっと考え事してただけだ」 「悩み事か?」 曖昧にごまかすあたしに、ストレートに聞いてくる。 「悩み事なら、先生が相談のるぞ?言ってみろよ」 優しいな…川口は。 そんな川口に、あたしはいつの間にか口を開いていた。 「…進路のことについて、考えてたんだ」 「進路?」 「隆は夢を持ってる。だから夢を叶えられるような進路へ進む。でもあたしは夢がないからどこに進めばいいかわからないんだ」 夢ってなんなんだ? わからない…あたしの夢。 夢がないなんてあきれるよな。 「……きっと、夢はあるよ」 「は…??」 「夢がない人なんていないと先生は思う。誰かしらこんな人になりたい、こんな職業につきたい…そんな夢を持ってると思うんだ」 川口…… でも、わかんないよ… 「さぁ、今日はもう帰れ」 「おう………」 見つからないんだ。 自分の夢がなんなのか。
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