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「清美……?」
バ…バレた……
「悪い隆。盗み聞きはするつもりじゃなかったんだ…」
「……見てたか?」
「えっ……?」
「凛音ちゃんとのこと、見てたか?聞いてたか?」
………???
「聞いてた…けど…」
「じゃあ清美、俺がなんで告白断ったと思う?」
?????
なんでそんなこと聞くんだ?
「…そんなの、凛音のことが好きじゃないからだろ?」
あたしは素直に答えた。
が、隆は首を横に振った。
「それもあるけど、違う」
「はぁ??」
「俺が断ったのは、清美。俺はお前が好きだからだ」
ザァァァァ…
「えっ……」
木がざわめいている。
あたしの心もざわめいている。
「隆が…あたしを…?」
嘘…だろ……?
信じられなくて、聞き返した。
隆は黙ってコクンと頷いた。
「…!!!」
知らなかった。
隆が…あたしのこと好きなんて。
「ごめん隆……!」
驚きすぎて、こんな言葉しか出ず、あたしは教室に向かって走り去って行った。
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