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ザワザワザワ…
花火が始まる時間が近づくたび屋台に群がる人が増えてきた。
うぅ…人に流される…
「清美、離れないように浴衣のすそに捕まってていい?」
「あ、うん。でもすそに捕まってるだけじゃすぐ離れそう…」
でも捕まっるだけ大丈夫か。
こんなところで幸子と離れたら、見つけるのに時間がかかりそうだなぁ…
しばらく歩いていると、美味しそうなわたあめ屋があった。
「あ、あたしわたあめ買って…」
言いかけた瞬間!
ドンッ!!!
勢いよく見知らぬオッサンがあたし達に激突してきた。
「「あっ…!!」」
激突したと同時に、あたしの浴衣に捕まってた幸子の手が離れていく。
「ちょっ……」
幸子はみるみる人の波にさらわれて行ってしまった。
「幸子……」
恐れていたことが、本当に起こってしまった……
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