8月 花火大会

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「くそっ!どこだよ…」 人の波をかきわけ、幸子を捜しているが…全然見つからない。 「どうしよ…あたし携帯置いてきちゃったんだよな…」 連絡が取れない。 捜すしか方法はないんだ。 「イタッ!」 下駄のひもが切れてしまった。 はぁ…もうどうしよう… 「清美…??」 「えっ……」 後ろから、天使の声。 大好きな…声。 「ひとりでどうしたんだ?」 その声の主は… 「川口…!!」 だった。 「ぁれ?清美ひとり?」 「幸子わ?」 川口の後ろから優香と奈美恵が顔出した。 「まぁちょっとな…」 なんだ…川口は優香と奈美恵と一緒だったのか… なんか…ショック。 「お?清美と優香、浴衣お揃いなのか!仲良いんだな♪」 「「なっ!!」」 忘れてた。 優香と浴衣かぶってたんだ。 「たっ…たまたまだ!」 「そぅそぅ!好きで一緒になったワケぢゃなぃし!」 お互いに全力で否定。 「で、清美は幸子とはぐれちまったのか?」 切り替えはぇーな(^-^; 「…大丈夫。心配すんなよ」 強がっちまった。 川口に迷惑かけたくなくて。 「そっかー??」 「清美も大丈夫だって言ってるし、行こうょ!花火もぅすぐで始まるょ?」 優香は川口の手を引いて言った。 「おう………」 優香にグイグイ手を引かれ、川口はあたしの前からいなくなった。
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