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「あ~切れちゃってるな。でも大丈夫だ。先生にまかせろ」
あたし達は人気のない神社の前にいき、川口は下駄のひもを直してくれた。
でも足の指が赤くなっていた。
「ここ痛むか?」
川口が赤くなっているところを指で押す。
「痛った!!」
「うん。絆創膏でも貼れば大丈夫だな!」
なんだその程度なのか。
痛がって恥ずかし///
「じゃあ俺、近くのコンビニかなんかで絆創膏買ってくるよ。清美はここで待ってろよ」
え……??
ちょっ、ちょちょちょ!
「待てよ川口!!」
行っちゃやだよ…
「ひとりにするなよ」
「え………」
あたしは川口を引き止めた。
川口は戸惑っているようだ。
………し……ん………
あたし達は静かで動かない。
まるで時が止まったかのよう。
…ただ、
『ただ今より、花火の打ち上げを開始致します!』
こんなアナウンスだけが聞こえていた。
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