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先に沈黙をやぶったのは川口だった。
「なんだ~清美。そんなに俺と一緒にいたいのか?」
からかうかのように、いつもの笑顔でそう言った。
「そう。いたいよ」
あたしは素直に答えていた。
ヒュルルルル……バーーン!!
巨大な花火が空を彩っていた。
「だって……」
ヒュルルルル……
「好きだから」
バーーン!!!!!
言った。ついに言った。
川口に好きだって。
「え……??」
あ~あ。戸惑ってるよ。
困ってるよ。驚いてるよ。
「清美………」
ドクン…ドクン……
心臓がヤバイ。
もう、返事言うよな?
「清美………」
ドクドクドクドクドク
ヒュルルルル…バーーン!!
「なぁ清美、もう一回言ってくれないか??」
「………は???」
もう…一回…だ…??
「いや、花火の音で清美が何言ってるか聞こえなくて…」
はぁぁぁぁぁ??!
「ふざけんなよ!!せっかく言ったのによ……」
「ど…どうした清美?!」
「どうしたじゃねぇよ!もういいから絆創膏買いに行けよ!」
もうヤケだ。
ひとりにしてくれ~!!
「…?じゃあ待ってろよ~」
こうして川口は走ってコンビニに向かっていった。
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