~0年目、春~

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「ここは?」 左に長い煙突からモクモクと煙が立ち込める、年期のある建物がある。 「ふぁ~。」 大口を開けるにじいろを見て村長は笑った。 「ここは鍛冶屋だよ。農業用の道具も売ってるんだ。」 「そうなんですか…。」 見たことのない建物に戸惑うが直ぐに落ち着きを取り戻した。 「ここには、君と同じ年の男の子が弟子入りしていてね。…いつも―…。」 ドガシャーン!! 「!な、なな、何の音ですか!?」 突然建物の中から物凄い轟音が聞こえた。 思わず耳を塞ぎ、村長の後ろに身を隠す。 「はっはっ!…相変わらずだな、ここは。」 こっそりと後ろから様子を伺う。 「ちっくしょー!!何やねん!!ちょっと菓子食っとっただけやないかい!!」 中から愚痴を良いながら青年が出てきた。 作業着姿に、鍔つきの帽子を反対に被り、手にはトンカチを持っている。 「…それは問題あると思うけどなぁ…匠(たくみ)君。」 「!村長はん!…と、そちらさんは見ない顔やな?」 匠と呼ばれた青年はにじいろを覗き見る。 「あ、あの私!今日この村引っ越してきました、にじいろって言いますっ!!宜しく御願いします!」 村長の前に出て、これでもかと頭を下げる。 「元気な子やなぁ!!女の子が来てくれて嬉しいわ!」
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