廃れ行く栄光(インドラ)

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さて。 この勝利を祝う為、大式典が挙行される事となった。 式典には、毒が消された後で最初に育った植物が供物として捧げられる。 そこで争いが起きてしまった。 「儂が受け取って当然じゃろうが!」 「それなら三大神に権利がありますよ!」 「待って下さい!こればかりは三大神にだって譲れません!」 上も下も関係ない。 この供物を受け取った者は、豊穣の神として崇拝されるのだ。 「このままでは決着がつきませんね。という事でこうしましょうか。みんなでレースをするんです。勝った者が供物を受け取る事にしてはどうです?」 この提案は満場一致で受理された。 で、レース開始! 結果はインドラとアグニの同着で、勝者はこの二人に決定した。 実はアグニとインドラは、同じ両親を持つ兄弟でライバルだった。 二人の親はディアウスとプリティヴィー。 彼らは牡牛と牝牛の形を取り、豊穣神として崇拝されていた。 このレースの勝者となり、豊穣の源とされたインドラだが……。 実は両親から適切に与えられた役割だったのである。 こうして、インドラは豊穣の神として崇拝される事となった。 .
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