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ブラフマーはビクッとした。
そこに男が居たからである。
自分より前に存在する者は居ないはず……。
「私は宇宙の創造者ブラフマー。貴方はいったい何者ですか?」
何このじいさん……。
問われたヴィシュヌが怪訝な顔をする。
「おっしゃる意味が分からない。私こそ宇宙の創造者ですが?」
おやおや、世間知らずの若者ですか……。
肩をすくめ、ため息をつくブラフマー。
「貴方こそ何をおっしゃる……。創造者は私ですよ?」
我こそが創造者。
そう言って二人は互いに譲らない。
その時、凄まじい閃光とともに巨大なリンガ(男根の象徴)が出現した。
頂ははるか天にそびえ、底も海に深く沈んでいて、どこまで伸びているのか分からなかった。
「こ、これはまた卑猥な……。」
「た、確かに……。」
ブラフマーの呟きに同意するヴィシュヌ。
いや、だってリンガですよ?
男の人のお股に付いてるアレですよ?
そりゃ卑猥ですわ……。
「しかし……でかい……。一体どこまで伸びてるんでしょうね……。」
ぽんと手を打つヴィシュヌさん。
「ブラフマー、この果てを見定めた方が偉いって事にしませんか?」
「果てですか……。それは良い。では私は上を見定めましょう。」
「それじゃ私は底の方を。」
ブラフマーは白鳥に変身して天に駆け、ヴィシュヌは猪に変身して海に潜った。
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