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「ヴェル様、入ってよろしいでしょうか?」
扉の向こうから聞こえる若い女性の声が喉の奥を撫でるようだった。
「う、、、あぁ…入ってこい」
「失礼します」
ギイィ…
細い腕、すらりと伸びる脚。活気の満ちた露出している首筋に、ヴェルと呼ばれた男は行動を起こせずにはいられなかった。
「血、血を、、、」
気付くと首筋に歯を突き立てていた。
「飲みたいのですか?」
動揺も見せずただ冷静に構えると、ヴェルは頷いた。
「わかりました、いつものようにお飲み下さい」
「すまない…」
「いいえ、、、構いません」
爪で女の首筋をツーっとなぞる。
普通ならミミズ腫れ程度にしかならない傷が皮膚を破り、血を滲ませて出した。
いつもより多い出血。
血は肩まで流れ、輝く白衣を真っ赤に染めた。
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